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2009年9月

ピクシー・ワークス

32289378 南井 大介/バーニア800 (電撃文庫) ★★☆☆☆

 電撃文庫の今月の新刊すくなっ! というわけでこれが唯一の新刊です。新人作家南井先生のピクシー・ワークス。

 くせ者ぞろいの天文部3人組+αが戦闘機を修理して首都上空をゲリラ飛行してやろう、そんなお話。

 よくも悪くもフツーでした。キャラクターは個性的でユニークだしやりとりもおもしろい。しかしストーリーがどこに向かってるのかさっぱりわからない。飛行目的もなんか子供じみたわがままみたいで共感し難い。

 多分、ミリオタ向けな一冊ですね。内容に知らない用語が多用されすぎててその度に覚めてしまう、非常に浸り難い物語でした。

 それと、ストーリーが戦闘機を直して飛ぶという一本調子で、恋や友情みたいなキャラクター性の活かせる場面が少ないようでした。自分で長所を潰してるっていうか……いかん、なんかあまり内容が頭にのこってないぞ?

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今ね

 表紙買い、とはいわゆる表紙イラストに惹かれて、帯から推察される内容や作品、作者の前評判とは関係なく購入してしまうことを言います。しかしその結果、地雷を踏む確率も格段に上がる。

 それを踏まえて『逆表紙買い』というのを考案してみた。

 要するに、萌え系の表紙イラストは↓の記事にあるみたいに、それをウリにした非ノベルであることが多い。よってそれら萌え系イラストを意識して忌避することにより地雷を踏む確率が格段に下がるのである!

 ……と言いつつ、新シリーズの中にはたまにすごい掘り出し物もあるから買っちゃうんですけどね。まあ、地雷が多いと理解した上で新人やあまりメジャーじゃない作家の新作を買ったりしているから文句はないのですけれど。

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まじ×どら

32275779 麻宮 楓/有河 サトル(電撃文庫) ★☆☆☆☆ 

 電撃文庫8月の新シリーズの一つ。口絵を見た途端なにやら嫌な予感がしてきたけれど、やっぱり的中。

 魔法学校に通う主人公の元に突然女の子が押しかけて……という、俗に『逆ドラ』と(なぜこういう類がこう呼ばれているのかはしらないけれど)呼ばれる展開。しかも女の子は記憶喪失で全裸でわがままで……とお約束です。

 読んでいて唐突すぎるというか、強引な展開が多かった。とにかく多かった。キャラクターもしっかり確立されてないもんだから不自然な言動が目立ったり行動が意味不明な場面がとにかく多い。主人公やヒロインが突然キレだしたり、意味もなく神妙になったり、某誰かの憂鬱に出てくる有機ヒューマノイドみたいな不自然極まる性格の人がいたり。

 それでいて物語の大筋は何のヒネリもなく、ヒロインの正体にしても序盤で既に気づいてしまう……というか、あまりにもあからさまだったから何かのミスリードなのか? と期待したけれど、そっちは見事に裏切られました。

 ついでに登場するキャラクターに意味があんまり無いですよね。いなくても別に物語上の支障は無いというか……。ライバルである沙織や助っ人となる暦はともなく花梨とか何のために存在するのかがわからない……。他二人にしても特に存在感があるわけではないし。なんで主人公に惹かれてるのかもわからないし。その上そういった心の描写は『わかりやす』というよりはムリに目立たせようとして不自然に写るくらいだし。要するに『キャラクターの気持ち』ではなく『作者の都合』なのですよね。物語的にその方がいいからというだけでそういう描写を強引に入れているだけというか。トーク番組なんかでお飾りとして座ってる見た目がいいだけのタレントみたいだな、と。助っ人はともかくライバルにもう少し見せ場があってもよかったのでは、と思わずにはいられません。

 要するに内容としては、単にエッチなハプニングや展開を詰め込んだだけの小説である、と。最後の展開もチープだったし、褒めるところが見つからない……。けなすだけじゃなくいい部分も見つけようとするのがこのブログの目的であるのに、なんだか最近こんな記事ばっかりなような気がします。どこかに面白い小説は落ちておらんかなー……。というより、私は最高に面白い小説を読んで、そこからなんとか批判すべき点や改善すべき点を探すのが好きなんだよなぁー……。こういうのはライト“ノベル”じゃなくてただのエッチな絵本なんだよなぁー……。

 なんて言うか……批評しがいが無い。いつの日か私をグウの根も出ないようにさせる作品に出会えるんだろうか。出会えたらいいね!

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偽りのドラグーン

32275787 三上 延/椎名 優(電撃文庫) ★★☆☆☆

『モーフィアスの教室』などでしられる三上先生の新シリーズ。このブログではシリーズ化してないものでも新シリーズとか書いちゃってる気がするけれど、これは本当にシリーズ化前提のもよう。

 某国の王子が祖国に侵攻してきた帝国に家族を殺されつつも生き残り、その復讐のための力を得るために『竜騎士(ドラグーン)』養成学校へと入学する。

 ……というどこかで見た気がする感バリバリなお話。主人公には秘められた力が備わっているとういうところまでがお約束。ついでに双子の王子のビジュアルがテイルズオブジアビスに登場する二人となんか似ている気が……。

 しかし王道とかお約束っていうのはやっぱり面白いから王道やお約束なんだと思います。既視感があってもサクサク読めるし、それなりに面白くはある。

 が、前シリーズからいえることですが、この作家さんは大切な部分に描写が少ない。文章に緩急がない、物語の尺の取り方が下手、演出がなって無い、作品の見せ場がわかってない。いろいろ言い方はありますけど、とにかく重要で尚且つ絵になりそうなシーンをさらりと流してしまう悪い癖があるのですよね。

 特に、場面が切り替わる直前などがそう。小奇麗にまとめることだけを考えて描写がお粗末になりすぎる。結果として読んでる側は多分に白けるという事態に陥ります。物語をつくる力と雰囲気をつくる力はちゃんとあるのに上手に使っていないんだな。

 そんなわけで、この作品も最近ありがちな『王道という先達の作り上げた骨子に乗っかってるだけの作品』となっています。世界観も設定もキャラクターにも物語にも真新しいものがないんだから、せめて文章や描写で光るものを見せてくれないとぜんぜんダメだぜ、と。

 本当は★一つで十分なんだけど、今時あえて『王道』を使った勇気に免じて★一つ追加。これから化ける可能性が無いわけでもないんで次も買うかな……。同時に刊行されるラインナップ次第かなー。

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